やさしい物語を、少しずつ更新しています。

【発達障害】知らなかった「療育手帳」|家族が悩んだ本当の理由(第9話)

🌸人生の物語

私が小学校に入学する前、ある検査を受けていたそうです。

そしてその結果、療育手帳を取得していたと、大人になってから知りました。

当時の私はまだ小さくて、そのことを理解することも、記憶に残すこともできていませんでした。

正直に言うと、小学校入学前の記憶はほとんどなくて、ぼんやりと覚えているのは、校長室でお菓子を食べていたことくらいです。

でも、その裏では、家族にとって大きな出来事がいくつも起きていました。

まず、問題になったのは「これから通う小学校でどうするか」ということでした。

お母さんは、私の特性について学校側にきちんと理解してもらおうと、直接先生たちに説明しに行ったそうです。

けれど、当時の小学校の先生たちは、療育手帳の存在や発達障害について、ほとんど知識がなかったといいます。

今でこそ「発達障害」という言葉は広く知られるようになりましたが、当時はまだ一般的ではなく、「ちょっと変わった子」というような認識をされることも多かった時代でした。

そのため、お母さんがどれだけ説明をしても、どこまで理解してもらえたのかは分からなかったそうです。

今思えば、とても不安だったと思います。

そんな中でも、お母さんや母方の家族は、私のことを受け入れてくれていました。

「この子はこの子」として、そのままの私を見てくれていたのだと思います。

一方で、父や父方の家族は、発達障害というものを受け入れられなかったようです。

「うちの子がそんなわけない」

そんな思いが強かったと聞いています。

同じ家族の中でも、受け止め方が違うという現実。

お母さんはその間で、きっとたくさん悩んでいたと思います。

そしてもう一つ、大きな選択がありました。

それは、私を普通学級に入れるか、それとも支援学級にするかということです。

どちらが正解なのかは、簡単には決められるものではありません。

その子にとって何が合っているのか、どんな環境がいいのか、考えれば考えるほど迷うものだと思います。

お母さんも、きっとたくさん悩んで、たくさん考えて決断したのだと思います。

そして最終的に、私は普通学級に入ることになりました。

当時の私は、その選択の意味も、背景も、何も分かっていませんでした。

ただ、与えられた環境の中で過ごしていただけです。

でも大人になった今、当時の話を聞くことで、あのとき周りの大人たちがどれだけ悩み、動いてくれていたのかを知りました。

何も知らずに過ごしていたあの時間は、実はたくさんの選択と葛藤の上に成り立っていたんだと思います。

そしてもう一つ、あとから知って驚いたことがあります。

それは、私自身が療育手帳を持っていたことを、大人になるまで知らなかったということです。

当時、お母さんが教えてくれなかった理由は、
まだ私が一人で行動することがなく、常にお母さんと一緒にいたからだそうです。

確かに、その状況であれば、必要になる場面も少なかったのかもしれません。
でも、今振り返ると――

せめて、その存在くらいは教えてほしかった。

知らないまま過ごしていた時間と、知ったあとの気持ち。
その間には、小さくない差があったように思います。

同じ出来事でも、
子どもである自分と、大人である親とでは、
見えているものがまったく違っていたのだと思います。

また、発達障害に対する理解や受け止め方も、
家族の中でさえ違いがあるという現実があります。

だからこそ、
その子にとって何が一番いいのかを考え続けることが、
とても大切なのだと感じています。

今でこそ発達障害という言葉は広く知られるようになりました。
でも、当時は情報も少なく、家族だけで悩みを抱えてしまうことも多かったのだと思います。

もし今、同じように悩んでいる本人やご家族の方がいたら、
「一人で抱え込まなくていい」ということを伝えたいです。

理解されないことや、不安になることはあっても、
その子らしさを受け入れてくれる人は、きっとどこかにいます。

このブログが、誰かにとって少しでも安心できる場所になれたら嬉しいです。

※療育手帳とは、発達や知的な特性がある人が支援や福祉サービスを受けるために交付される手帳のことです。

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ここでは、子どもの頃から現在まで、私が経験してきた出来事を時系列で記録しています。発達障がいの特性によって感じてきた困りごとや生きづらさ、そこから少しずつ見つけてきた工夫や気づき、そして日々の小さな前進を、一つひとつ物語として綴っています。...
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